「行きスギタ」発言の数々。自民党は水脈(みお)切る改革を【適菜収】 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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「行きスギタ」発言の数々。自民党は水脈(みお)切る改革を【適菜収】

【隔週連載】だから何度も言ったのに 第29回

安倍晋三死去に伴い、衆院山口4区の補欠選挙では安倍家を中心に後継候補を探っていたが難航。なんと杉田水脈の名が浮上していると毎日新聞が報道。SNSでは批判が殺到している。

 

■「事実として確認」できないことを新聞社のサイトに載せる人間

 

 性的少数者らに関する差別発言の一部を撤回した自民党の杉田水脈は、参院法務委員会で「私のつたない表現で差別をしたかのように伝わってしまった」「私は差別をしておりません」などと答弁。つたないのは「表現」ではなく杉田の頭である。

 杉田の差別発言は枚挙にいとまがない。ブログでは「国連の会議室では小汚い格好に加え、チマチョゴリやアイヌの民族衣装のコスプレおばさんまで登場。完全に品格に問題があります」「とにかく、同じ空気を吸っているだけでも気分が悪くなるくらい気持ち悪く、国連を出る頃には身体に変調をきたすほどでした」「ハッキリ言います。彼らは、存在だけで日本国の恥晒しです」と述べていた。

 性暴力被害を訴えたジャーナリストを誹謗中傷するツイートに「いいね」を繰り返し、東京高裁は杉田に55万円の損害賠償の支払いを命じている。英BBCのインタビューでは「彼女の場合は明らかに女としての落ち度があった」と答え、自民党内の会議では「女性はいくらでも嘘をつけますから」と性暴力被害の虚偽申告があるような発言をしている。こんなわけのわからない底辺ネトウヨを比例単独候補に押し込んだのが安倍である。

 杉田は2016年、保育所の待機児童問題などに関して、産経新聞のサイトの自身のコラムで「子供を家庭から引き離し、保育所などの施設で洗脳教育をする。旧ソ連が共産主義体制の中で取り組み、失敗したモデルを21世紀の日本で実践しようとしているわけです」「旧ソ連崩壊後、弱体化したと思われていたコミンテルンは息を吹き返しつつあります。その活動の温床になっているのが日本であり、彼らの一番のターゲットが日本なのです」と述べていたが、20221130日の参院予算委員会で、「事実として確認できず、不用意な発言だった」として撤回した。「事実として確認」できないことを新聞社のサイトに載せる人物が、現在、国民の税金で飯を食っているのである。杉田を総務政務官に任命した責任について国会で問われた岸田は「任命責任については、この人事は適材適所ということであります」と答弁。これが自民党。

    *

 ドイツ連邦検察は政府転覆を図ったとして、25人を逮捕したと発表。貴族の末裔や極右関係者、元軍人、ロシア人女性、陰謀論「Qアノン」の信奉者などで構成されるグループが、連邦議会議事堂を襲撃し、政権を奪取するつもりだったという。なお、Qアノン信奉者たちは、自分たちの国は世界的な権力者の闇のネットワーク「ディープステート」に支配されていると信じていたという。

    *

 米大統領選でバイデンが不正投票に関わったと決めつけた門田隆将とか、すぐに「コミンテルン」とか言い出す連中がわが国にもいる。陰謀論やデマにわれわれの社会は甘すぎるのではないか。

 

文:適菜収

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  • 目次

はじめに−−「B層」とは何か?

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第一章 内田樹と『日本辺境論』

辺境と偏狭

プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神

B層グルメと某評論家

B層という言葉が出てきた経緯

なぜ日本はこんなことになってしまったのか

ルース・ベネディクトの『菊と刀』

安倍晋三の行動原理

学問のブレイクスルー

マイケル・ポランニーと暗黙知

百人一首を暗記する意味

「型」を知るということの贅沢

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第二章 自立を拒絶する人たち

白井聡の『永続敗戦論』

終戦記念日という欺瞞

冗談は櫻井よしこさん

「サヨク」と「保守」の自己欺瞞

「主権の欲求不満」の解消

 ✳︎

第三章 「正義」を笠に着る人たち

ウクライナ首都の名称変更は「正義」なのか?

「人間は見たいものしか見ない」

社会的リンチというB層の「正義」

人種問題における「正義」の暴走

「ルッキズム」批判は「正義」なのか?

言葉狩りは「正義」なのか?

若年層に選挙権を与えるのは「正義」なのか?

山本太郎と「正義感」について

 ✳︎

第四章 陰謀論に走る人たち 

「無知の知」と「無恥の恥」

不道徳としか言えない果物屋

「維新に殺される」

新型コロナは「バカ発見器」でもあった

ひっくり返って駄々をこねる老人たち

Yahoo!ニュースのコメント欄

知識はあるけど教養がないバカ

デマは言論の自由にあらず

社会の変化は元には戻らない

99%の人が知らない話

✳︎ 

第五章 無責任な人たち

安倍の次は維新に騙されるB層

メディアの劣化が止まらない

大阪都構想のデマと事実隠蔽

総選挙で湧いてきたB層

✳︎ 

第六章 恥知らずな人たち

飼い犬の遠吠え

安倍晋三の本質を映し出す一枚

ツッコミ待ち政治家だらけの国

日本の崩壊に気づいていないB層

日本最大の権力者は「改革バカ」

「ジューシー」発言は外部の拒絶

悪意なく嘘を重ねる人々

カルト化した自民党広報本部

百田尚樹の「歴史改ざんファンタジー」

日本人は悪に屈したネトウヨ用語を使い騒ぎ出した元首相

✳︎ 

おわりに−−人間は過去を忘れ野蛮は繰り返される

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適菜 収

てきな おさむ

1975年山梨県生まれ。作家。ニーチェの代表作『アンチクリスト』を現代語にした『キリスト教は邪教です!』、『ゲーテの警告 日本を滅ぼす「B層」の正体』、『ニーチェの警鐘 日本を蝕む「B層」の害毒』、『ミシマの警告 保守を偽装するB層の害毒』、『小林秀雄の警告 近代はなぜ暴走したのか?」(以上、講談社+α新書)、呉智英との共著『愚民文明の暴走』(講談社)、中野剛志との共著『思想の免疫力 賢者はいかにして危機を乗り越えたか』、『遅読術』、『安倍でもわかる政治思想入門』、『日本をダメにした新B層の研究』(KKベストセラーズ)、『ニッポンを蝕む全体主義』『安倍晋三の正体』(祥伝社新書)など著書50冊以上。「適菜収のメールマガジン」も好評。https://foomii.com/00171

 

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